どうも、チェリーコークこと木村です。
金融の世界で今、最も注目されているのが「人工知能」、つまり「AI」です。
世界は2045年に「シンギュラリティ（技術的特異点）」と言って、
人工知能が全人類の知能を超えると言われています。
そうなれば、金融界にも影響が出るのは必至。
むしろ、すでにAIを利用することで大きな利益をあげてるファンドもどんどん出てきています。
そこで、今回はそんなAIの可能性と
同時に、AIがこれからどんどん発達して行ったら、裁量トレーダーは今後どうなってしまうのか？
その点について僕の見解を話して行きたいと思います。
Contents
■ゴールドマンサックスもAIを導入？世界最先端ファンドがやってること
世界的な投資銀行にゴールドマンサックスがあります。
そんなゴールドマンサックスは去年、AIを本格導入し、取引の自動化を推し進めました。
それまで600名以上いたトレーダーをわずか2名に減らしたというのは記憶に新しいニュースです。
引用：人工知能による自動化が進むゴールドマン・サックス、人間のトレーダーは600人から2人へ
これ、かなりインパクトありますよね。笑
このままじゃマジで裁量トレーダーが消滅するんじゃないかっていう気がした人も多いはずです。
実際、ここ数年多くのファンドが苦戦し、巨額の資金流出が起きていますが、
それを尻目にAIを導入したファンドはのきなみ好調を維持しています。
米国のファンド『ルネッサンス・テクノロジー』『ツーシグマ』はその代表です。
■AIが金融を変えると断言できる根拠＝ディープラーニング
そもそもこれほどまでにAIに注目が集まったのは、
従来の人が運用するファンドの調子があまりよくないからです。
結果、ファンドにはもう自分のお金を置いておけねーぜ！
と考える人が増え、ファンドから資金を逃がし始めました。
そんな中、人がダメならじゃあAIで！
という機運が盛り上がってるんですね。
まあ、何より、機会による「学習」の質が
この10年で飛躍的に進歩したのは言うまでもありません。
相場はある程度規則的に同じような動きを繰り返しているので、
その法則に従ってエントリーするタイミングをパターン化すれば稼げるんじゃないか？
ということは昔から言われていましたし、
いわゆる『自動売買システム』というのはこの5年くらいでいくつも登場してきました。
しかし、昔は作れるパターンモデルが単純すぎて、
複雑な相場を捉えることはできなかったんです。
たとえば、巷のほとんどの自動売買システムは
単に「こういう時はこう」みたいな指示したことしかできません。
結果、バックテスト（過去の相場における運用実績）ではいい結果を出しても、
フォワードテストでは結果がイマイチだったり。
（まあ、バックテストにおいても、ほとんどのシステムは
「リーマンショック」なんかの金融危機が起きる前までしかバックテスト取ってないですしね。）
しかし、機械学習の統計的な手法がすごく進歩したおかげで、状況は一気に変わりました。
その一つの大きな要因となっているのが「ディープラーニング（深層学習）」です。
この手法が発達したことで、AIで運用を行える可能性が飛躍的に開けました。
ディープラーニングとは、
システムがデータの特徴を学習して事象の認識や分類を行う「機械学習」の手法の一つ。
データの特徴をより深いレベルで学習し、
非常に高い精度で特徴を認識することができます。
ようするに、相場の値動きのような、本来非常に複雑な事象においても、
非常に高精度で予測することができるようになったということです。
そもそも、AIと金融は相性がいいんです。
なので、運用に関心がある人なら、絶対にトライしてみたくなるほど、
今はいい仕組みができてきていると言えます。
■人間VSAI勝つのはどちらか？今後10年で起こること
ここからは僕の完全なる予測なので、まあ話半分で聞いてもらいたいのですが、
まず、長期はまだしも、短期トレードでは
人間のトレーダーはほぼ間違いなく駆逐されていくと思います。
超高速トレードはもちろん、
10～20分、もしくは1時間～数時間のトレードでも、
AIの研究が進むと人間はほぼ間違いなく叶わなくなります。
数ヶ月から数年スパンのような
長期で行う投資ではまだまだ時間がかかると思いますけどね。
で、ここまでの話を聞くと、AIに運用させるというのは
腕利きデイトレーダーのコピーを作るみたいなイメージだと思っている方もいるかもしれませんが、
必ずしもそうではありません。
腕利きのトレーダーも自分のトレードのやり方を
何らかの方法でパターン化をしてるので、
それを機械が読み取るというのはありえます。
ただ、トレーダー自信も長年の経験から来る勘のようなものが重要で
自分のトレードの根拠が科学的にはわからない場合もあるので、
その場合は機械での読み取りは難しいわけです。
ただ、人間はチャートを見ながらトレードしますが、
機械からするとチャートは値動きパターンのほんの一部にすぎず、
それよりもっと多様で複雑なデータを読み解き「答え」を見つけることも可能です。
チャートはあくまでチャートで表すものしか認識できませんからね。
それが、機械なら人間ではとても捉えきれないような、
もっともっと大きなデータを題材に読み取ることができるのです。
■AIが一般化することで、トレンドが読みやすくなる？
『ジョージソロス』のように20世紀型のファンドがここに来て大きく方向転換しています。
人間のトレーダーではなく、AIを重用し始めているんです。
運用のプロフェッショナルであるファンドの中でも、
今後はAIが台頭し人間の裁量はだいぶ減っていくと考えられます。
人間による運用は完全になくなるのか？と言われれば、
そうではないでしょうが、機械に頼る割合が増えるのは明白です。
もしかしたら、今後これまで裁量で利益を出していたトレーダーが
今より儲けにくくなる可能性はあります。
しかし、現時点では機械に取れない戦略というのがまだ無数にあるというのが現実です。
まだまだ人間にできることはあります。
それに、多くのファンドや個人がAI搭載のトレードシステムを導入するということは、
チャートの動きがよりはっきりと、強烈になってくるということでもあります。
売りに売りが重なって、買いに買いが重なって、
ようするに「強いトレンド」が形成されやすくなるということですね。
なぜなら、運用するのが人間ではなく、AIになるので、
みんなの思考回路が同じ方向に向くことになるから。
AIが増える影響でトレンドが出やすくなるはずで、
ということは超おいしい相場が来るのではないか？
そのようにポジティブに考えることもできます。笑
相場はどちらか一方に多くのお金がかかった時に大きく動くから、
多数決で5対5くらいでいわゆるレンジ相場で動かなくなるよりは
9対1の割合くらいで動いてくれてたほうがおいしいですからね。
だから、AIが普及することで、
かえって今よりトレードがやりやすくなるかもしれせん。
ディープラーニングと言っても、
0から100まですべてAIができるわけではなく、
まだ人間が一定の方向性を与えている場合がほとんど。
なので、個人投資家も自分が長年の経験で培って来た技術とかで利益を出してる部分に関しては
今すぐにAIに取って代わられることはないと思います。
まあ、結局のところ未来のことは誰にもわかりません。
だから、今回の話はあくまで「話半分で聞いて欲しい」と言いました。
重要なのは、今どちらか一方の答えを出すのではなく、
変化する時代に合わせて、自分も変わる準備を常にしておくこと。
あの、ダーウィンも言っているように生き残るのはいつの時代も
「変化を受け入れることができた者」なのです。
「ワシらの時代にはこんなものなかったぞ！」
と、古い時代の常識にとらわれ、
そこにある確かな「可能性」に気づけない耄碌したおじいさんにだけはなりたくないですね。
それでは。
木村
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